2016年の金価格は堅調なスタートを切り、イエローメタル価格は1100オンス米ドルに向けて上昇している。すでに0.70米ドル以下で取引されているオーストラリアドルの下落により、地元投資家の金価格は1550オンス豪ドルを上回り、わずか2週間で8.5%の上昇となった。
世界的な株式市場の劇的な下落により、少なくとも紙の上では、何十億もの「富」が帳消しになった。
被害は海外の人々だけに及んでいるわけではなく、伝統的な退職年金基金に資金を預けているオーストラリア人を含む現地の投資家も苦しんでいる。
何が売りを誘ったのか?
中国中東。北朝鮮 – 触発材料には事欠かず、年内いっぱい下落が続くと予想する市場コメンテーターもいる。
また、ソシエテ・ジェネラルのアナリストの一人は、世界の株式市場はここから75%下落し、その損失は世界金融危機の最悪期に投資家が被った損失よりも深刻なものになるだろうと述べている。
金に話を戻すと、過去2週間に見られたような市場の乱高下は、貴金属の需要増につながりそうだと言っていいだろう。その理由はいくつかあるが、株価の下落と経済成長の鈍化が、現在市場が米国連邦準備制度理事会(FRB)に期待している利上げペースを遅らせる可能性が高いからだ。
その結果、ドル安が進み、金がその恩恵を受ける可能性が高い。
また、金は信頼できる安全な投資資産であり、世界中の投資家がポートフォリオの他の部分が苦境に立たされたときに安心して頼れる資産であるため、うまくいく可能性が高い。
これは世界の他の地域と同様、オーストラリアでも同様で、株式市場が急落する時期には、金の価格が流動資産として最高のパフォーマンスを発揮する。
株は下がり、金は上がり、資金は安全、というと聞こえが良すぎるかもしれないが、最もシンプルな投資アイデアが最もうまくいくのが普通であり、この戦略は過去数十年にわたって実証されてきた。
今年の残りがそうであると考える理由はない。私が現在、退職金の一部を金と銀に投資しているのは、そのためである。
Jordan Eliseo
チーフエコノミスト
ABC Bullion